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相続に備える

対策2.遺産分割対策

家族間の無用な争いを避けるため、自分の財産の分け方を自分で決めるため、公式な遺言書を作っておくことは有効な方策です。できれば家族と話し合い、全員が納得できる内容の遺言書を正式に作成するのが理想。また生命保険や生存贈与を活用して、バランスのとれた遺産分割をめざすこともできます。

■遺産分割の流れ

遺言がある時
遺言がない時

遺言書のない場合、遺産分割の手続きをするには、相続税の申告期限である10ヶ月以内にすべての相続人の合意のもと、「遺産分割協議書」を作成する必要があります。遺産分割協議が申告期限に間に合わないと、各種の税制上の恩典が受けられないこともあります。
また、ご遠方の方やご多忙の方には、協議に参加するだけでもご負担になることでしょう。このほかにも遺産分割の手続きには、お亡くなりになられた方は相続を受ける方々の戸籍や、相続財産に関する各種の謄本、残高証明書など、多くの書類が必要となります。
遺産分割協議はやり直しがきかないため、慎重かつ総合的に検討する必要があります。いざ、というときに慌てることのないよう、相続発生に伴う手続きや費用、スケジュールについて確認しておきましょう。

遺産の分割方法

遺産の分割方法には3種類あります。財産そのものを遺族が分割する「現物分割」、財産をお金に換えて分割する「換価分割」、財産を相続した人が相続しなかった人に現金を渡すことで財産を分割する「代償分割」です。

遺産の分割方法

分割しやすい財産と分割しにくい財産

遺族の方が財産を分割するとき、分割しやすい財産と、分割しにくい財産があります。もっとも分けやすい財産は現金・預金です。上場株式や国債なども現金化しやすく、分割しやすい財産といえます。
一方、不動産や美術品などは、すぐに現金化できるとは限りませんし、それぞれの財産に対する価値観も遺族の方によって異なるため、どの財産を誰が相続するのかを決めるのも難しいでしょう。

主な財産が住宅・宅地である場合の問題点

相続する主な財産が住宅・宅地だという人は多いでしょう。換価分割では住宅を売却して財産を分割することになるため、その住宅に住んでいた遺族がいる場合、その人は、別の住居を探さなくてはなりません。代償分割では、住宅を相続した遺族が他の遺族に現金を渡さなければなりません。相続した人に現金がなければ、結局、住宅を売却して現金を用意するしかなくなります。

主な財産が住宅・宅地である場合の問題点

トラブルが起こりやすいパターンと対策

遺産分割協議でもめやすいポイントがいくつかあります。心当たりのある方は、早めに対策を立てておきましょう。

遺産分割協議とは

トラブルが起こりやすいパターン トラブルの理由 対策
財産が不動産ばかり 分割するのが難しい ・公平感のある遺産分割方法を検討
・土地を相続する代わりに他の相続人に現金や有価証券を渡すなどの代償分割
・分割方法を明記した法的に有効な遺言書を用意
特定の人が同居・介護をしていた 同居・介護の貢献分を遺産分割に反映することが難しい ・同居/介護の貢献分を遺産分割に反映するか検討
・分割方法を明記した法的に有効な遺言書を用意
相続人が複雑(連れ子のいる再婚、独身など) 他の法定相続人にとって思いがけない相続権が発生することがある ・相続権発生の確認
・誰に財産を残すか指定した法的に有効な遺言書を用意
遺言を残していない、遺言に記載漏れの財産がある、法的に効力がない 故人の意志が反映されない ・弁護士や税理士などに相談しながら法的に有効な遺言書を残す。
・記載漏れの財産がないように、財産の棚卸をする。

遺言書とは

相続の対策を検討する

「納税対策」「遺産分割対策」「節税対策」など、具体的な対策を分かりやすくご紹介します。


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