お住まいご売却の流れ
不動産のご売却からご契約、引渡しまでの基本的な流れをご紹介します。
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重要事項の説明義務
宅建業者は、宅地・建物の売買(割賦販売を含む)・交換・賃貸等の相手方、代理を依頼した者、媒介に係る売買・交換・賃貸等の各当事者(以下「相手方等」という)に対して、その者が取得し又は借りようとしている宅地・建物に関し、契約が成立するまでの間に、取引しようとする物件や取引条件等に関する一定の重要な事項について、これらの事項を記載した書面(重要事項説明書)を交付して、取引主任者から説明をさせなければならない(宅建業法35条1項及び2項)。
なお、取引主任者は、説明をするときは、相手方等に対して、宅地建物取引主任者証を提示しなければならないこと(同法35条3項)、書面(重要事項説明書)の交付に当たっては、取引主任者は、当該書面に記名押印をしなければならないとされている(同法35条4項)。
瑕疵担保責任
1.売買契約における瑕疵担保責任
特定物の売買契約において、その特定物に「隠れたる瑕疵(かし)」があったとき、売主は買主に対して損害賠償等の責任を負う場合がある。
このように、売主が買主に対して負うべき損害賠償等の責任を「瑕疵担保責任」と呼んでいる(民法第570条)。
「特定物」とは、取引当事者がその物の個性に着目して取引するような物のことであり、具体的には、美術品、中古車、不動産(土地・新築建物・中古建物)などのことである。
また「隠れたる瑕疵」とは、買主が取引において一般的に必要とされる程度の注意をしても発見できないような、物の品質・性能に関する「欠陥」のことである。
例えば、中古住宅の売買において、売買契約後に中古住宅に雨漏りが発生し、その原因が売買契約当時に存在した屋根の欠陥であるならば、売主は買主に対して「瑕疵担保責任」を負うこととなる。
このような売主が負うべき「瑕疵担保責任」の具体的な内容は次のとおりである。
1)買主は売主に損害賠償を請求することができる(民法第570条)。
2)瑕疵の程度が、売買契約の目的を達成できないほどに重大であるときは、買主は売買契約を解除できる(民法第570条)。
3)瑕疵担保責任を追及できる期間は、民法上には特に定めがない。例えば契約書において「中古住宅を買主に引き渡した日から1年間だけ売主は瑕疵担保責任を負う」と定めることも民法上は可能である。
4)損害賠償請求や契約解除ができる期間は「買主が瑕疵の存在を知った時から1年以内」に制限されている(これを「権利行使期間」という)。
なお、宅地建物取引業法や住宅品質確保法では、上記3)について特別な規制を設けている(詳しくは下記「瑕疵担保責任(宅地建物取引業法における~)」へ)。
2.建築請負契約における瑕疵担保責任
特定物の売買契約だけでなく、建築物などの建築請負契約についても、民法では請負人の「瑕疵担保責任」を定めて、注文者を保護している(民法第634条から第640条まで)。
この民法における請負人の「瑕疵担保責任」の具体的内容は次のとおりである。
1)建築請負工事の注文者は、請負人に対して建築物の欠陥についての損害賠償を請求することができる(民法第634条第2項)。
2)建築請負工事の注文者は、請負人に対して建築物の欠陥を補修する工事を行なうよう請求することができる(民法第634条第1項)。
3)瑕疵担保責任を追及できる期間は、民法第638条により「コンクリート造などの建築物では引渡しから10年、木造などの建築物では引渡しから5年」と定められているが、この10年・5年の瑕疵担保責任期間は契約により短縮できる。そのため実際の建築請負契約書では「引渡しから2年」とされることが多い。
4)損害賠償請求や補修工事の請求ができる期間は「注文者が瑕疵の存在を知った時から1年以内」に制限されている(民法第638条第1項)。
瑕疵担保責任(宅地建物取引業法における~)
特定物の売買契約において、その特定物に「隠れたる瑕疵」があったとき、売主が負うべき責任を「瑕疵担保責任」という(民法第570条)。
この瑕疵担保責任の規定により、買主は瑕疵の存在を知ったときから1年以内に限り、売主に対して損害賠償を請求し、または契約を解除することができる(民法第570条)。
しかし売主の側からすると、この民法570条の規定に従うならば、例えば買主が5年後に瑕疵の存在を知った場合でも、売主は瑕疵担保責任から逃れることができないことになる。こうした点を考慮して、宅地建物取引業法では、次のような規定を設け、買主が瑕疵担保責任を追及できる期間を制限した。
1.宅地建物取引業者が、自ら売主として土地・建物を売却するとき、買主が瑕疵担保責任を追及できる期間を「土地・建物の引渡しの日から2年間」とすることができる。
2.上記1.の場合を除き、宅地建物取引業者が、自ら売主として土地・建物を売却するときには、瑕疵担保責任の内容について民法の規定よりも買主に不利となるような特約をすることはできない。
なお新築住宅の売買契約については、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により買主保護が強化されている。このため、新築住宅の売買契約に関しては、宅地建物取引業法よりも、品確法のほうが優先される
隠れたる瑕疵
「瑕疵」とは「きず」「不具合」「欠陥」という意味である。
「隠れたる瑕疵」とは、特定物(新築住宅・中古住宅・土地など)の売買契約を締結した時点において、買主が知らなかった瑕疵であり、かつ買主が通常要求されるような注意力を働かせたにもかかわらず発見できなかった瑕疵のことである。
例えば中古住宅の売買において、屋根の一部に欠陥があったため、引渡し後に雨漏りが発生したとする。
この場合、屋根の欠陥が「瑕疵」に該当する。
そして買主が売買契約当時にこの欠陥があることを知らず、かつ買主が通常要求されるような注意力を働かせても、この欠陥を発見することができなかったであろう場合には、この欠陥は「隠れたる瑕疵」に該当するといえる。
民法(第570条)では、特定物の売買契約において、その特定物に「隠れたる瑕疵」があったとき、売主は買主に対して「瑕疵担保責任(下記)」を負うものと規定している。
このため、隠れたる瑕疵があるとき、買主は売主に対して原則的に、損害賠償などの請求をすることができる(民法第570条)。
担保責任
特定物の売買契約において、特定物に何らかの問題があったときに、売主が負うべき責任を「担保責任」という(民法第561条、第563条、第565条、第566条、第567条、第570条)。
特定物とは、取引当事者がその物の個性に着目して取引するような物のことであり、具体的には美術品、中古車、不動産(土地・新築建物・中古建物)などを指す。
こうした特定物の売買では、買主はその物の個性(長所・欠点の両方を含む)に着目して購入を決定するため、仮にその物に何らかの欠点があったとしても、買主はその欠点があることを理由に、売主の責任を問うことはできないはずである。
しかしこれでは買主の保護に欠けるし、売買取引の信頼性も損なわれる。
そこで法律(民法)では、担保責任の規定を設け、一定の場合には特定物の売主に責任を負わせることとしたのである。こうした売主の責任が「担保責任」である。
「担保責任」には具体的には次のものがある。
1.他人の所有物を売却しようとした売主の担保責任(民法第561条・第563条)
2.物の数量が不足した場合の売主の担保責任(民法第565条)
3.土地の上に賃借権等がある場合の売主の担保責任(民法第566条)
4.不動産に抵当権が設定されている場合の売主の担保責任(民法第567条)
5.物に「隠れたる瑕疵(かし)」がある場合の売主の担保責任(民法第570条)
特に上記5.は「瑕疵担保責任」と呼ばれ、不動産の売買契約において特に重要な役割を果たしている。
土壌汚染対策法
土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図ることを目的として平成15年2月15日に施行された法律。
本法では、鉛、砒素、トリクロロエチレン等の特定有害物質に関する定義、土壌汚染の状況の調査、土壌汚染のある土地についての要措置区域・形質変更時要届出区域の指定、土壌汚染による健康被害の防止措置、汚染土壌処理業者の許可制度等を定めている。
指定確認検査機関
建基法に基づき地方公共団体の職員である建築主事に代わって、確認又は検査等を行う機関で、国土交通大臣又は都道府県知事によって指定されたもの。
2以上の都道府県の区域で確認検査の業務を行おうとする場合は国土交通大臣(1つの都道府県の地域で業務を行う場合は都道府県知事)に対して申請し、国土交通大臣等の指定を受けた者がその業務を行うことができる(建基法77条の18、建基法に基づく指定資格検定機関等に関する省令14条)。
指定確認検査機関による確認済証は、建築主事による確認済証とみなされ、建築主事の確認済証は不要となる(建基法6条の2)。
指定確認検査機関が、完了検査又は中間検査を、工事完了又は一定の工程に係る工事終了の日から4日以内に引き受けた場合には、建築主事による完了検査又は中間検査は不要となり、検査の結果、建築物等が建築基準関係規定に適合していると認めたときは、建築主に検査済証又は中間検査合格証を交付し、こられは、建築主事による検査済証又は中間検査合格証とみなされる(同法7条の2、同法7条の4)。
構造計算書偽造問題への対応及び建築物の安全性の確保のため、平成18年6月に建基法が改正され、指定検査機関の業務の適正化が図られた。この改正により、損害賠償能力、公正中立要件、人員体制等の指定要件が強化されるとともに、特定行政庁に立入検査権限が付与されるなど特定行政庁による指定確認検査機関指導監督の強化が図られている。
免震構造
大地震による揺れをできるだけ小さくして、心理的恐怖感や家具の転倒などによる災害を少なくするために、建物の基礎と土台の間に防振ゴム(積層ゴム)を挿入するなどの構造を免震構造という。
これまではマンションでの採用が多かったが、最近は一戸建て住宅に採用するケースも多い。振動を通常の2~3割程度に和らげる効果があるとされており、今後さらなる増加が予想される。
制震構造
主として超高層建築物において、地震や風等による建物の揺れそのものを抑えるために用いられる構造。
釣り鐘状の制震装置等の慣性力で振動エネルギーを吸収する方式(受動的制震)とタイムリーに感知した揺れの抑止力を計算し、外部動力で揺れを制御する方式(能動的制震)に大別される。
時効
ある事実状態が一定期間継続した場合に、そのことを尊重して、その事実状態に即した法律関係を確定するという制度を「時効」という。
時効は「取得時効」と「消滅時効」に分かれる。取得時効は所有権、賃借権その他の権利を取得する制度であり、消滅時効は債権、用益物権、担保物権が消滅するという制度である。
時効は時間の経過により完成するものであるが、当事者が時効の完成により利益を受ける旨を主張すること(これを援用という)によって初めて、時効の効果が発生する。
また、時効の利益(時効の完成によって当事者が受ける利益)は、時効が完成した後で放棄することができる。これを時効利益の放棄という。
また時効は、時効の完成によって不利益を受ける者が一定の行為を行なうことにより、時効の完成を妨げることができる。これを時効の中断という。
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