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定期借家の質問と回答集「その4」

質問

再契約の仲介を行うときも宅建業者は重要事項説明や貸主の事前説明をしなければなりませんか?

回答

再契約は新たな契約ですから、その仲介を行う宅建業者は、再契約の締結に際して、宅地建物取引業法に基づき宅地建物取引士が宅地建物取引士証を提示して、重要事項説明をしなければなりません。また、再契約の場合には貸主の事前説明義務を省略してもよいという法律の規定はありませんので、再契約の場合であっても、貸主は書面を交付した上で、再契約の内容について事前説明を行なわなければなりません。
以上の二つの義務は、法律上の根拠と主体が異なりますので、いずれか一つがあれば足りるということではありません。両方とも行なう必要があります。
なお、再契約は、更新ではなく新たな契約ですので、再契約を仲介した宅建業者は、新規の契約同様に媒介報酬を請求することができます。

質問

借地借家法第38条2項において、貸主に、定期借家契約に関する書面による説明義務を課していますが、具体的にはどのようなことを説明すればよいのですか?

回答

定期借家制度が創設されたことにより従来型の普通借家契約と定期借家契約の二つの制度が並立することになったため、貸主が定期借家の趣旨を十分に理解しないまま定期借家契約を締結してしまった後でトラブルになることを、契約の段階で未然に防ぐことが当事者双方にとって重要です。そこで、この規定は、借主の意思決定のための情報を十分に与える観点から、書面による契約に加えて、貸主に書面による説明義務を課したものです。
書面には、
1. 契約の更新がないこと
2. 期間の満了により賃貸借が確定的に終了すること
3. 契約の終了年月日
などを記載します。
標準様式の「定期賃貸住宅契約についての説明」を参照してください。
なお、書面を交付して口頭で説明することが必要なので、注意して下さい。

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質問

借地借家法第38条2項の書面による説明義務を実行しなかったときは、契約はどうなるのですか?

回答

書面による説明義務を怠った場合には、建物賃貸借契約のうち、契約の更新がないこととする特約(定期借家契約である旨)の部分のみが無効とされますので、その契約は普通借家契約であったものとみなされます。したがって、法定更新(借地借家法第26条)、正当事由(借地借家法第28条)等の規定の適用を受けることになります。
なお、前質問の回答のとおり、書面を交付しただけでは足りず、口頭での説明も必要ですから、注意して下さい。

質問

契約期間が1年未満の定期借家契約の場合は、借地借家法第38条4項の終了通知は必要ありませんか?

回答

ありません。
そもそも、期間満了の通知義務は、借主が、契約期間を忘れてしまう懸念が想定されるところから、それを防止するため、あるいは貸主が再契約の意思がない場合、借主に代替の賃貸建物を探す余裕を与えるために設けられた規定です。しかし、契約期間が1年未満の場合、借主が期間満了を失念することは通常考えられませんので、終了通知義務は契約期間が1年以上の場合に限られたのです。

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